第18章 2度目の夏。
侑「・・え?」
もう一度小さな声で呟く。
「会いたいよ…。」
鼻の奥がツンと痛む。
侑「・・えー、、ともみちゃん、それは反則やて…。」
蓋をしていた気持ちが一気に溢れだした。
一度は諦めて、ケリをつけた筈の気持ちは時間が経ってもちっとも消えなくて…。
それどころか気持ちはどんどん大きくなって、私の頭の中は侑君でいっぱいだ。
広い家に1人取り残されて本当は寂しかった。
そんな時、手を取って欲しいのは侑君で。
大丈夫や、って抱きしめて欲しくて。
子供みたいに笑う笑顔が見たくて。
侑君の側にいたい…。
ツーと頬を涙が伝う。
「侑君…」
侑「ちょ、ちょっと待って?俺この後めっちゃ悶々とせなあかんやん‼
ともみちゃん、とにかく今日は早よ寝や?ほいで起きたらすぐ明日や!
俺明日ダッシュで帰るから、待っとって?」
「・・うん。」
侑「ほいで、、明日帰ったら思いっきしギューって抱きしめてええ?」
「フフッ、、いいよ。」
私は笑いながら指で涙を拭う。
侑「よっしゃー‼︎やる気出てきたわ!
あ、てか勘違いしないでな?誰にでもギューしてる訳ちゃうで。ともみちゃんやからしたいんやで?」
「・・うん。」
侑「え?ホンマわかってる?・・まぁ、明日存分に分からせたるわ。じゃあそろそろ切るけど、、大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ。電話嬉しかった、ありがとう。」
侑「おん。ほなまた明日やな!おやすみ。」
「おやすみなさい。」
電話を切り、クッションを抱き余韻に浸る。
なんか私達、カップルみたいじゃなかった…?
あんな事言われたら期待しちゃうよ…。
それに少しずつ冷静になってくると、自分がとんでもなく大胆な事を言ってしまった事に気付き、クッションに顔を埋めた。
やばい…
今度は興奮して寝れないかも…!
結局この日はソファで朝を迎えた…。