第17章 揺らぐ。
寝かせてあげたい気もするけど、せっかく華ちゃんが来てくれたし…。
ドアの前に立ち、もう一度遠慮がちに声を掛けてみる。
「・・侑君、具合どう?華ちゃんがお見舞いに来てくれたよ。」
すると布団がもぞもぞと動いた。
侑「んー…ともみちゃん?」
私と華ちゃんが部屋に入ると、侑君のトロンとした目が私達を捉えた。
侑「・・華?」
侑君はベッドに肘を突き、上半身を起こした。
華「あのっ!先輩、、ごめんなさい。私が傘借りたせいで風邪引かせてしまって…。」
侑君はハハッと笑い寝癖の付いた頭を掻いた。
侑「・・ホンマかっこ悪いよな。雨に打たれたぐらいで、、ケホッケホッ、、」
華「先輩?大丈夫ですか⁇」
華ちゃんが咄嗟に手を伸ばし、侑君の背中をさする。
侑「大丈夫や…。てか傘の事はホンマ気にせんでな?俺がしたくてやった事やし。華が気に止む事ないで。」
華ちゃんは背中をさする手を止め、「ハイ…」と頷いた。
そうは言ってもきっと責任感じちゃうんだろうな…。
肩を落とす華ちゃんを少しでも元気づけたくて、、
私は華ちゃんが買ってきてくれた差し入れの袋をドサッとベッドに置いた。