第17章 揺らぐ。
私の一言に、華ちゃんは少し驚いた顔をしたがすぐにまた表情を曇らせた。
華「そうなんです!メールしたんですが返ってこないからつい気になって…。」
佐々木「え?侑君がどうかしたん?」
華「私、昨日の帰りに自転車の鍵を落としちゃって。
そこに偶然侑先輩が通って、一緒に探してくれたんですけど、、
その後雨が降ってきちゃって…。
先輩が持ってた傘、私が使っちゃったからきっとびしょ濡れで帰ったと思うんです…。
それでお礼もしたかったし、心配だったから来てみたんですけど、教室に居ないしもしかして熱、、出しちゃったのかなって…。」
華ちゃんは携帯を握りしめ、俯いた。
・・そっか。
だから侑君が華ちゃんのタオルを持ってたんだ。
侑君、優しいなぁ…それとも相手が華ちゃんだったから?
佐々木「あの雨の中、傘無しで帰るとかエグいな…。
え?てかともみちゃんが今日遅刻したのって侑君の看病してたから、とか?」
「う、うん…。まぁ…。」
華「・・看病⁇やっぱり侑先輩、風邪引いちゃったんですね・・って、え?もしかして原先輩、侑先輩と同じ下宿に住んでるんですか⁈」
食い気味に聞いてくる華ちゃんの勢いに思わず後退りする。
「・・う、うん。」
佐々木「てか宮兄弟の方が後から入ってきた感じやけどな。」
すると華ちゃんは夕子ちゃんに向き直るとガバッと頭を下げた。
華「佐々木先輩!お願いがあります!
今日の部活休んでも良いですか?明日からは今まで以上に頑張るので…」
佐々木「いや、、いつもよう頑張ってくれとるし…。1日ぐらい全然大丈夫やで?」
華「ありがとうございます!」
ん?
この展開はもしかして…。