第12章 新たな季節。
山田「侑っ!いつまで寝てるんや、ホームルーム終わったで?」
侑「ぁあ?」
涎を拭い顔を上げると山田が呆れた顔をしている。
山田「お前はバレーと弁当だけ食いに学校来とるんか…。てか今日体育館メンテやろ?バレー部もオフって言うてたな?」
侑「あー・・せやったなぁ。つまんな。」
重い瞼を閉じ、また机に突っ伏した。
そんな俺を山田が寝んな!と肩を揺らす。
山田「合コン、行かへん?」
侑「・・興味ないわ。」
片目を明けて答えるとまたすぐに目を閉じる。
山田「マジか⁈お前ホンマに侑か?治君ちゃうよな?」
侑「・・・・」
山田「女遊びやめたって噂はホンマやったんやな…。なんやせっかく侑が来たら盛り上がると思ったんやけどな。」
侑「・・・・」
山田「ま、ええわ。原さんと仲良うなるまたとないチャンスやし、じゃあ、、」
侑「待て待て待て〜‼︎今何て言うた⁈」
ガバっと顔を上げ、帰ろうとした山田の鞄を思いっきり引っ張った。
山田「痛い痛い!急に何やねん。」
顔を顰める山田にさらに食い付く。
侑「合コンって言うたよな?合コンにともみちゃんが来るんか?」
山田「・・何や、結局侑も原さん狙ってるんか?」
侑「ちゃ、ちゃうわ!狙ってるとかちゃうし。ほんで?、、、メンバーは誰が来るんや。」
平静を装い机に頬杖をつく俺を、山田はニヤつく顔で見下ろした。
山田「そんなに心配やったら来るか?」
侑「・・・行ってやらんでもない。」
俺は秒の速さで帰る支度をした。