第12章 新たな季節。
2時限目が終わり休み時間になり、私はランチバッグを持ち隣のクラスへ向かった。
入り口のドアから教室の中を覗いていると、友達と話していた侑君がこちらを見た。
私はムスッと頬を膨らまし、ランチバッグを掲げて見せると侑君は頭を掻きながら席を立った。
侑「うっかりや〜また忘れてもうた!」
私は笑って誤魔化す侑君の胸にぐっとランチバッグを押し付ける。
「次、忘れたら私が2人分食べるから。」
侑「えー!ごめんって。それに次は忘れへんから!
てかちょーど腹減ったし早速食べよ〜。ともみちゃんも一緒に食べてかへん?」
「た、食べません!早弁なんてお行儀悪い!」
侑「お行儀悪いて(笑)またオカンみたいな事言うな〜。」
いたずらっ子のように笑う侑君に「もう戻るから!」と頬を膨らませながら言うと、私は教室へ踵を返した。