第8章 それぞれの想い。
治君からのメールを確認しようとした時、ちょうどかよこさんが帰ってきた。
かよこ「ただいま〜!ってあれ?ともみ1人⁇」
かよこさんが両手に沢山の紙袋を下げて現れた。
「おかえりなさい。蓮さんとあやかさんは2階で、倫太郎君は今さっきお風呂に行ったとこです。」
そっかー残念。と言いながらテーブルの上や床にドサドサと荷物を置くと、何やら紙袋から一冊の雑誌を取り出した。
かよこ「これ見て‼︎ジャーーン‼︎」
顔の前に突きつけられた雑誌を見ると、
「バレーボール、、?」
初めて見る雑誌に首を傾げる。
かよこ「月刊バレーボールよ‼︎知り合いに教えてもらったんだけど、これに宮兄弟が載ってるのよ‼︎」
え?と思わず食いつき雑誌を手に取る。
パラパラとページを巡り、かよこさんと目を凝らし2人の姿を探す。
「あっ、ここ!」
かよこ「アハハッ!凄いじゃなーい!でも実物の方がイケメンね‼︎」
そこには今年注目の高校生達!とあり、2ページに渡り特集が組まれていて、宮兄弟もその中にいた。
2人の写真の横には"高校生最強ツインズ"と書かれている。
「すごい…」
かよこ「なんか有名人と友達になった気分ね?これでますます2人の人気も上がっちゃうんじゃない⁈」
興奮気味のかよこさんに相槌を打つも、心の奥で2人が遠い存在になってしまうような気がして少し複雑だった。