第2章 一章:出会い
4月。
出会いの季節でもあり、別れの季節でもある。
2年生になった俺は、裏庭にあるソファで寛いでいた。
早く頭になれ、お前は頭の器だと、開久のOBがとても煩い。
俺は無駄な喧嘩はしたくないと何度も言っているのに。
『…誰か適当に強い奴来てくンねェかなァ…。』
下っ端「?何でっすか?」
『OBが頭になれってうるせェから。』
下っ端「頭になりたくないんすか?」
『あ~?頭になったって良い事なンもねェだろォ。』
下っ端「俺らは零さんについて行くっすよ!」
『着いてこなくていいわァ。』
面倒くせェ。
同学年と3年生に使われる敬語程、気持ち悪ィもンはねェと思う。
『てか、お前ら分かってンのォ?俺は女ァ。こんな見た目だけどれっきとした女だぜェ?』
下っ端「関係ねぇっすよ!」
関係なくねェよ。
早く1年来ねェかなァ。
今年はどンな奴が来るのかなァ…。
その時、沢山の足音が聞こえた。
『お、なになに、やっと1年来たァ?』
裏庭出入口に目を向けると、既にボロボロの1年と思われる生徒が2人を先頭に歩いて来ていた。
先頭の2人は銀髪とガタイの良いリーゼント。
『え、もう殺っちゃったカンジィ?』
下っ端「こりゃスゲェ、左の銀髪って狂犬だろ?」
狂犬?
…仔犬の間違いじゃね?
下っ端「右の奴は中学3年で隣町の高校生5人を病院送りにした奴だろ?」
へェ…中々骨のありそうな奴じゃねェのォ。
『なァ、もうアイツらで良くねェ?開久の頭。』
下っ端「何言ってんすか!?あの人達が許すわけないでしょう!!」
『え~…。だって面倒くさいだろォ?頭なんて。』
元々、頭をやる気のない奴が務めるより、バリバリやる気ある奴の方が皆の怒気もモチベも上がるってモンよォ。
??「アンタが開久の頭張ってる奴か?」
ガタイの良い奴が話し掛けてきた。
『……………え、俺、頭張ってる事になってンのォ?初耳なンだけどォ。お前ら知ってたァ??』