• テキストサイズ

天命と共に 【文豪ストレイドッグス】 第三者目線

第12章 本編 第21章 三社鼎立


福沢は携帯電話を片手に道を歩いていた

そして慣れた手付きで操作すると、耳に当てる

無機質の音が幾度か聞こえた後に目的の者が応答した

「進捗は如何だ」

福沢が尋ねると受話器越しに応答する国木田の声が鼓膜を揺らす

「ご指示の通り、事務員は県外に退避させました、しかし、その……」

「何だ、」

歯切れの悪い国木田を促す様に福沢は尋ねた

「……徳冨の姿が見当たらず……如何やら、退避もしていない様で……申し訳ございません」

白状する様に告げた国木田の言葉を受けた福沢は視線だけを少々、後方へと向けた

「……想定内だ、構わぬ」

「想定内……ですか、」

不思議そうに尋ねる国木田に福沢は頷く

「嗚呼……徳冨の事は私に任せよ、善いな」

「……判りました、」

国木田は福沢の指示に力強く頷くと、次の指示を仰いだ

福沢はそれに答える様にして、徐に口を開いた

「……調査員は全員、社屋を発ち旧晩香堂に参集せよ」

「晩香堂? ……会社設立前に社長が拠点にしていたと云う?」

「あの講堂は極限られた人間しか知らぬ、拠点を秘匿せねば数で勝る敵に圧し潰される」

福沢の重々しい言葉に国木田は彼の覚悟を悟った

時を同じく、受話器越しの福沢は後方へと視線を向けた

「御訪客の様だ、2人――否、3人か」
/ 77ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp