第9章 本編 第16章 文豪ストレイドッグ
突如、姿を現した先生から手紙を貰い、全ての真実を知った徳冨は全ての元凶である己の組織の首領、森鴎外に戦いを挑んだ
しかし、結果は敗北ーー
死ぬ間際になり、最期の力を振り絞った徳冨はかつての相棒、織田作之助の墓に辿り着いたのだった
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ーー織田の墓の前で天からの恵みを一身に受けながら瞼を閉じていた徳冨の身体が突如、煙に包まれた
そしてその時、図ったかの様に現れたのは人ーーいや、動物だった
それはこの辺り一帯の猫を率いてやって来た三毛猫であった
そう、それは先刻、徳冨が再会した先生である
そして、煙が晴れると同時に倒れていた小さく赤い尻尾が二又に分かれている猫の周辺に他の猫がその者を中心として集まり、血を流しすぎた代償や雨により奪われた彼の体温を温めるように身を寄せ合った
そして、傷だらけとなった猫の身体を癒す様に舐めると共に黒と茶色の瞳から溢れ出していた涙も、拭う
ーー暫くすると、先生が中心に居る猫の前に立ち、紅い猫をまるで我が子を抱える様に優しく、彼よりも小さく細い首を咥えると、再び他の猫を率いて元来た場所へと消えて行ったのだった
~そして、舞台は再び4年後へ~