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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第6章 もしも命が描けたら




陣平くんの最後の望みは、わたしが夢を叶えることだった。

陣平くんからの最後のメールにも、頑張れよと書いていて、最後に電話をしたときも、医者になるわたしを見るのが楽しみだと言ってた。


その日からわたしは、また医師になるための国家試験の勉強を再開した。



そして見事ストレートで資格を取得。
東都大学附属病院に勤務が決まり、外科の研修医として働き始めた。


医師として、何人もの患者の命を救った。
だけど、命を救った数だけ、思い知らされる。

死んだ人を蘇らせることは、どうしたってできない。

医学が進歩しても、わたしがどれだけ技術を磨いても、それだけは不可能だった。



ねぇ、陣平くん。
陣平くんの言った通り、多くの患者さんを救ってきたよ。

だけどいつも思う。
どれだけの人を救っても、あなたには到底叶わない。

あの日、たくさんの人の命を、たった一つの身体で守ったあなたの方が、よっぽど価値のある人間だったのに。



もしも命が描けたら、わたしは真っ先に陣平くんを描くよ。

そして叶うなら、もう一度だけわたしの名前を呼んでほしい。
笑った顔を見せてほしい。

あなたがどこにいても誰といても、
幸せでありますように。


わたしの心だけ置き去りにして、毎年11月7日がやってくる。



3年の月日が経つのは、一瞬だった。






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