第44章 誕生日の夜に ☆
突然飛びついたわたしのせいで、陣平くんが持っていたフォークに刺さっていたケーキのクリームが、彼の頬を汚した。
「っこら…ベタベタじゃねえか…」
「ごっ、ごめん!ティッシュ…!」
慌ててティッシュを探そうとするわたしの手を、陣平くんが握って止め、わたしの耳元で囁く。
「ティッシュじゃ無くて、ミコトが綺麗にして」
甘く、挑発的な意地悪な声。
まるで、人間を操る特殊能力でもあるかのように。
さっきまで、そんな雰囲気微塵もなかったし、わたしは陣平くんの作ってくれたケーキをただ美味しく食べることしか頭になかったのに、陣平くんはそうじゃないらしい。
わたしは言われるがまま、陣平くんの頬についた生クリームをペロリと舐めとった。
「んっ…甘い…」
「俺にも食べさせて」
陣平くんはそう言いながら、まるでお返しするみたいにわたしのほっぺに生クリームをつけた。
そして彼の舌がわたしの頬についたクリームをぺろりと舐めとる。
ドキッと心臓が高鳴って陣平くんを見つめると、彼の挑発的で自信満々な瞳と目が合った。
「誕生日は、ここからだろ?」
誕生日の甘い情事はさっきで終わったと思っていたわたしが甘かった。
むしろ、ここから長い長い誕生日の夜のはじまり…
To be continued...
▶︎裏シーンはもうお腹いっぱい!という方はこのまま次の章が更新されるのをお待ちください!
▶︎この後の裏シーンが見たい!という方は、短編にあげましたのでそちらに飛んでください。
章タイトル:陣平くんと生クリームプレイ