第43章 もしかしたらこれが最後のハッピーバースデー
「俺がここにいんのに、怖いことなんてねぇだろ?」
「っ…いなくならない?
ずっと、一緒にいてくれる?」
「何度目だよ。お前とこの約束するの。」
ずっと一緒
永遠に一緒
そんな言葉、正直ミコトと付き合うまでは信じてなかった。
そんな言葉、萩が死んだ時に嘘だと悟ったんだ。
けれど、ミコトとはこの言葉で繋がっていたいと思う。
永遠を信じたいと思う。
一生、ずっとこのまま、隣でミコトの笑った顔も泣いた顔も見ていたいと思う。
「ずっと、お前のそばにいる。
誕生日、おめでとう。
来年も俺がこうして祝ってやる。再来年も、その次も」
その言葉を聞いて、またミコトの目から涙が溢れた。
なぁ、萩原。
この約束をするのは、残酷なんだろうか。
10年後も20年後も、俺が生きているかどうかの保証なんてどこにもねえ。
萩原だって、あの日まさか自分が死ぬなんて思ってなかっただろ?
警察官ってのは、そういう仕事だ。
けれど、俺は浅はかにもこの約束を何度もミコトと交わしている。
たとえ残酷でも、1%でも永遠が叶う可能性があるなら俺はそれに賭けたいんだ。
ポロポロと溢れる涙をまた指で拭うと、くすぐったそうに目を閉じるミコト。
思わず瞼にキスをした後、ゆっくりと唇を重ねた。
ずっと一緒にいるという約束が、叶うように。
いつもの強引な口づけでは無く、優しく繊細なキスを。
まるで、誓いのキスみたいだ。
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