第43章 もしかしたらこれが最後のハッピーバースデー
佐藤さんからの告白の一件からしばらく経った今日、わたしはまた一つ歳をとった。
思えばタイムスリップしてから、誕生日を迎えるのは何度目だろう。
そして、陣平くんのあの観覧車の事件へも刻一刻と近づいている。
陣平くんと一緒に歳を重ねる喜びと同時に、タイムリミットが近づいていっているような気分になり、たまにどうしようもなく情緒不安定になることがある。
このところ、実習に追われ、家事に追われ、さらには試験勉強やレポートに追われる生活をしているから尚更だ。
そんな時、アユがわたしの誕生日の日に、久しぶりに遊ぼうよ!と何日が前に連絡をくれた。
一瞬、どうしようかな…と思ったけど、陣平くんは特にわたしの誕生日に休みを取ってるとも言ってなかったし、仕事の可能性が高い。
わたしはわたしで、アユと思いっきりハメを外して遊びたい!という気持ちもあり、二つ返事で快諾したのだった。
実際、数日前にそのことを陣平くんに伝えたときには、ケロッとした顔して「そうか、了解」とだけ言ってたし、仕事なのは間違い無いだろう。