第42章 何度も好きだと言って ☆
「お前しか好きじゃない」
そう言いながら、陣平くんはまたわたしの上に覆いかぶさって唇を重ねた。
思えばそんな言葉も、陣平くんが言ってくれるなんて奇跡だ。
だって、タイムスリップする前は好きだなんて一言も言ってくれなかった。
ただ一緒にこうしていられるだけでいい。
いつか、好きになってくれればいい。
そう思っていたはずなのに、どんどん欲張りになるわたしは、好きなんて言葉だけじゃ足りなくなってる。
「もっとたくさん言って…」
「言い過ぎたら軽くなるから嫌だ」
「……」
嫌だと言われ、すぐにしゅんと口を尖らせるわたしを見て、陣平くんは参ったようにため息を吐いてわたしの髪を撫でた。
そして、耳元で囁く。
わたしの大好きな声で。
「好き。」
「……うん」
「好きだ…ミコト…」
あの口の悪い陣平くんが、優しい声で好きだと言ってくれる。
それだけで、胸がいっぱいで苦しくて、わたしは彼にしがみつきながら自分の愛をめいっぱい伝える。
「わたしも…わたしも大好き…」
嫌な女でも良い。余裕無い彼女で良い。
佐藤さんより、わたしの方が絶対陣平くんのことが好き。
そんなことを心の中で思いながら陣平くんと何度もキスした。
陣平くんはわたしの髪を撫でながら、ゆっくりと背中に手を回してぷつ…とホックを外す。
ほら、こんな風にキスしながら外すのが得意なんて知らないでしょ?
わたしだけが知ってる、陣平くんがわたしを抱く時の癖だから…
「陣平くんは…わたしの…」
そう言って彼の頬にキスをすると、目を丸く見開いた後に細めて微笑んでおでこにキスを返してくれる。
「お前の。」
そんな甘くて初々しいキスをしていたかと思えば、徐々に陣平くんの手がわたしの服の隙間から素肌を這う。