第33章 お持ち帰りの仕返し?!
どうやら個室はこの店には無いらしく、機密情報が含まれる話はできそうにねえ。
何なら、隣の席の客なんて、席の並び的にチャラチャラした合コン開催中だ。
その様子に気づいたのか、佐藤も少し笑いながらその合コン連中を見た。
「合コンやってる。
私一度も行ったことないのよね、合コン」
「佐藤さんは合コンなんてしなくてもいくらでもいい男性は見つかると思いますよ?」
佐藤のその発言にすかさずフォローしつつ自分をアピールしている白鳥刑事。
あなどれねえ…
しかし、刑事の歓迎会と合コンとは、同じ店での飲み会だと言うのにえらい違いだぜ。
そう思いながら不意にその合コン連中に目を向けたとき、そこにいるはずのない人間の姿が目に飛び込んできた。
「は…?!」
そんなわけねぇ。
あいつがここにいるはずねえ。
そう思いながらゴシゴシと目を擦ってもう一度そいつを見るが、見間違いなんかじゃなかった。
「ミコト!!?!」
「え…?」
俺に大声で名前を呼ばれたのは、合コンなんて場に参加しているはずもない俺の彼女、萩原ミコトだ。
突然、あさっての方向から名前を呼ばれたミコトは驚いてこちらに目を向け、俺の顔を見て固まった。
「じ…じ…陣平くん!!?
どうしてここに!?!」
神様は、いたずらが大好きらしい。
まさかこんなところで付き合っている男女が鉢合わせるとは思っても見なかった俺たちは、間抜けな顔をしてお互いの顔をまじまじと凝視していた。
まるで時が止まったかのように
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