第32章 寝言の理由 ☆
次の瞬間、わたしの身体はビクッと大きく跳ねた。
陣平くんの掌が、わたしの胸をやわりと揉んだからだ。
「っ…陣平くん?!」
「んー?」
「んー?って…!どこ触ってんの?!」
「俺が一番好きな場所」
そう言うと陣平くんは、わたしが逃げられないように、抱きしめる力を少し強めた。
くにくにと、指を広げて胸の形を変えるみたいに激しく揉まれると、わたしもだんだん変な気分になってくる。
「っ…ま、待って…
隣に佐藤さんが寝て…」
「あぁ。だから、声出すなよ」
意地悪に囁いた陣平くんは、ゆっくりと部屋着の中に手を滑らせ、素肌から直接胸を両手で揉んだ。
「っん……っ…」
咄嗟に口をつぐんで、飛び出しそうになった喘ぎ声を必死に抑えた。
そんなわたしを見て、陣平くんは意地悪に笑う。
「偉いな…ちゃんと我慢したじゃねえか」
「じ…んぺ…」
「可愛いな、お前は…」
そう言った瞬間、陣平くんは胸を揉んでいた手を離して、胸の中央にある突起を指でくり…と摘んだ。
「っあ…ぁっ…んんんっ」
思わず声を出したわたしの口を、陣平くんの大きい掌が咄嗟に塞いだ。
「こら。声出すなって言っただろ?」
意地悪に笑ってそう言った後、後ろの首筋に陣平くんの舌が這う。
相変わらず陣平くんの掌が、わたしの喘ぎ声をショートする。
そして陣平くんの手が、感じるところを強引に愛撫する。
まるで犯されてるみたいに、後ろから好きに身体を触られて口を塞がれているのに、陣平くんがくれる甘い快感に抗えない。