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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第4章 俺と萩原




俺はミコトに言った。
とぼけて、ごまかして。


「萩が置いてった宝物に、手ェ出すことなんて出来ねぇよ」


ノーを突きつけた。


ああ。これでまたミコトと2年話せなくなるのか。
そう思いながら、ミコトを見ると、ミコトはキッと俺を見つめ返して強い目で言った。


「…諦めない」

「あ?」

「陣平くんが、わたしのこと好きになってくれるまで、絶対絶対諦めないから!!」


勢いよく宣戦布告をしたミコトを見て、俺は目を丸くして固まった後、吹き出して大笑いし出した。


「っふ…あはははは!」

「な!なに?!なんで笑うの!」


俺のさっきの葛藤は一体なんだったんだよ…
好きって言って、断られて、諦めないって、予想外すぎる。


「だってお前、昼間はギャンギャン泣いてた癖して!
すっげー気合いじゃねぇの」

「だ!だって!!
お兄ちゃんが!」


咄嗟にお兄ちゃんと言ったミコトを見ながら俺は首を傾げた。


「…?」

「お兄ちゃんが、諦めるなって言ってくれたから」


なあ萩原。

俺は萩原を殺した犯人を必ず捕まえる。
仇をとって、お前の無念を必ず晴らしてやる。


もしもその時、お前が許してくれるなら、
ミコトに好きだと伝えていいか?


ミコトのことを、抱きしめて俺のものだと言っていいか?



「…楽しみにしてるよ」

「え?」

「お前を好きになれる日を、楽しみにしてる」


そう言って、ミコトの手を引いて、また歩き出した。


「…絶対、絶対、好きにさせて見せる!」

「はいはい」


こうして、俺たちの関係はまた動き出した。
ミコトのことが好きだと言う気持ちを押し込めたまま、静かに、ゆっくりと。


萩原を殺した犯人を捕まえるまで

死が2人を別つまで



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