第29章 この部屋で過ごす最後の夜 ☆
わたしの頭はもう靄がかかったみたいにぼんやりして、時折やってくる激しい快感におかしくなりそうだ。
「やっ…も…ダメ…
じんぺく…イッちゃうよ…」
「へえ?犬に舐められただけで簡単にイクんだな。俺の彼女は」
「犬じゃないもん!陣平くんだもん…っ」
「お前がトイプードルだって言ったんだろ?」
そんなに怒ることないのに!と心の中で叫びながらわたしは陣平くんがくれる快感に抗えない。
陣平くんの舌遣いがだんだん激しくなってきたと同時にわたしの身体がゾクゾクと震えてきた。
そして
「イッ…っ…」
ビクッ
身体を大きく震わせたわたしは、簡単に絶頂を迎えてしまった。
はあはあと浅い息を吐きながら陣平くんを見ると、口元を手で拭いながら、満足そうにわたしを眺めてる。
「自分だけ気持ちよくなって、悪い子だ」
そう言うと、イッたばかりでヒクついているわたしのアソコを、陣平くんは猛った自身の欲望で貫いた。
ズズッ…
「あっ…」
思わず大きく喘いだわたしを、陣平くんはぎゅっと優しく抱きしめてくれた。
「意地悪して悪かったよ。
お前、俺に意地悪されるのちゃんと嫌がれよ…」
陣平くんの意地悪に、いつもあっさり巻き込まれて飲み込まれるわたしを見て、陣平くんは心配そうにわたしの頬を撫でた。
「っ…陣平くんにイジワルされるの、すき…」
「ドM?」
「違う!陣平くんのことが好きすぎて、何されても許しちゃうの!」
陣平くんと繋がってるときは、いつも泣きそうになる。
涙目で彼にしがみついてそう言うと、わたしの頭を優しく撫でた。
いつも、わしゃわしゃって撫でるくせに、こんな時は優しくなる陣平くんの撫で方がどうしようもなく愛しいの。
「…馬鹿だな。」
「バカじゃないもん。陣平くんより頭良いもん」
そんな屁理屈を言うわたしにハハッと笑った陣平くんは、じっとわたしの目を見ながら言った。
「仕方ねえから、俺が一生そばにいて守ってやるよ」
「本当?」
「本当。…好きだぜ?ミコト」
そう言いながら、陣平くんはわたしを力強く抱きしめて、奥まで入ってきた。