第27章 2ヶ月分の大好き ☆
「そう言えば、陣平くんのご両親は…?
わたしも挨拶しなきゃ…」
「…いらねぇよ。
もう何年も会ってない」
「でも…」
「まずはお前の親。だろ?」
そう言って陣平くんはわたしのオデコにビシッとデコピンした。
「痛っ!」
「ハハッ。バァーカ!」
笑いながら、ほんの少し寂しげな顔をする陣平くん。
わたしはたまらず彼に抱きついた。
「バカは陣平くんでしょ?」
「あぁ?」
「一緒に住んだら、毎日美味しいご飯作ってあげる。
陣平くんが忙しくない時は、一緒に手を繋いで眠ってあげる。
陣平くんが寂しい時は、わたしが抱きしめてあげる。
…だからそんな顔しないで」
「…逆プロポーズ?」
「ち、ちがうよ!そんなんじゃなくて!」
「サンキューな。
お前がいてくれたら、俺は他に何も要らねえよ」
そう言って、陣平くんはわたしの唇にキスを重ねた。
粗暴に見えて優しくて、儚くて、脆い
そんな彼を、ずっと守りたいと思った。
ずっと、何年も何十年も
一緒にいたい。
わたしの願いはただそれだけだった。
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