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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第26章 幸せな提案




陣平くんが異動して1ヶ月が経った。


「捜査一課、舐めてたぁ…」


東都大学医学部の講義室。

机に突っ伏したわたしは、ゾンビのように死にそうな声を出した。
そんなわたしの頭をなでなでしながら隣の席に座るアユが言う。


「どうしたー?元気ないねぇ。
実習先、第一希望の米花中央病院に決まりそうなのに」

「陣平くんが捜査一課に配属されて1ヶ月。
一度も会えてないの…」


そう。陣平くんが一課に移動してから1ヶ月会えない日々が続いている。

そもそも陣平くんの殉職は、一課に配属されてから7日後のことだったから、まさか何かあるんじゃないか?!と、わたしは大学を休んで陣平くんが殉職したショッピングモールの大観覧車に張り込んだけど、特に何も起こらなかった。

捜査一課への配属は2年と数ヶ月早まったけれど、あのXデーはやはりそのまま2年後の11月7日なんだろうか。

それとも11月7日という日付ももう変わってしまっている…?

考えても予想なんて出来るはずもない。


先が見えない不安と、陣平くんに会えない不安が重なり、わたしのメンタルはボロボロだ。


「刑事ってブラックなのねぇ。
ま、医者もだけど?
…もしあんたが実習始まったら、更に会えなくなるんじゃない?」

「う…そうだよね…そうかも…」


アユの容赦ない追撃になす術もなく、わたしはうううとうめき声を上げながら机に顔を埋めた。


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