第4章 俺と萩原
松田side
萩はいつも、俺の隣にいた。
小学生の頃から、2人でヤンチャして気づけばもう22だ。
まさかこんなに長いこと、こいつとトモダチやることになるとは、思っても見なかった。
萩は俺の人生でなくてはならない存在だった。
それは、萩原研二そのものがそうだと言う意味もあるが、その萩にもれなくついてくる姉と妹の存在も、大きかった。
小学生の頃、初めて千速を見た時、俺はこいつと絶対結婚する。
ガキながら、そんなマセた事を思った。
そして、初めてミコトを見た時、俺はこいつを一生守ってやる。
まるで自分の妹のように、可愛くて仕方なかった。
俺たち4人は、小さい頃からよく一緒に遊んでた。
俺はずっと、どんな時も千速を目で追いかけていて、ふとした時にミコトを思い出し、迷子になっていないか周りを探す。
それがクセだった気がする。
そんな俺がミコトの事を妹だと思えなくなったのは、ミコトが高校生になってからだ。
当時俺は大学生。
萩と俺と共通のダチといる時、ミコトの話題が上がることが多くなっていた。
「萩の妹が超絶可愛い」
そんなことを、誰かが言い出したのがきっかけだ。