第24章 風邪引き彼氏 ☆
松田side
「おつかれしたー」
当直明けの午前10時、くぁあっとあくびをしながら退勤を押した俺は、徒歩で警視庁から自宅へと戻った。
夜勤と言っても、24時間365日、いつ爆発事件が起こっても対処できるように待機しているだけで、何も起こらなければ書類整理が中心だ。
夜通し山のような書類に目を通していた俺は、目を閉じたら立ってでも寝られるぐらいに眠気はMAX
電車で最寄り駅につくまで、つり革に捕まりながら何度も寝落ち仕掛けた。
そして、最寄り駅についてからはフラフラの足取りで自宅まで戻って来た。
今日の午後から明日は久しぶりの非番だ。
しかも、ミコトと水族館に行く約束をしている。
けれど今の俺は明らかに身体が不調だ。
今まで当直明けで眠いことは何度もあったが、それに加えて今日は頭はボーッとするし、身体が熱い。
更に言うと若干頭痛もする。
これはもうすぐに寝て、明日に響かねえようにしないとな…
明日朝早くから俺んちに迎えに来るって言ってたミコト。
迎えに来るって彼氏かよ…
何なら、あいつ俺んちに泊まるって楽しみにしてたし。
あいつが泊まった日は寝不足になる事が多い。
今のうちに寝貯めしとかねぇと。
そう思った俺は、かろうじてシャワーを浴びた後、倒れるようにベッドへダイブした。
「あー。布団、気持ちいいー…」
それにしても、この部屋あちぃな…
まだ春だってのに、夏なのかと思うぐらい、俺の首筋に汗が滴る。
頭もボーッとするし、俺疲れてんのか…
体力だけは自身があったのに、俺ももう若くねぇな…
ぼんやりとそう思いながらベッドに顔をうずめると、ものの10秒。
気付けば気絶するように眠りに落ちていた。