第18章 わたしの知らない陣平くん ☆
陣平くんのキスは、粗暴な彼とは裏腹に優しくて儚い。
わたしの唇をゆっくり味わうみたいに、優しく角度を変えながら何度もキスをくれる。
「んっ…」
「ミコト…」
耳元で名前を呼ばれ、陣平くんの舌がわたしの耳たぶに触れる。
「んぁ…っ」
わたしの身体が跳ねて高い声が漏れた瞬間、陣平くんは器用な手つきでわたしの背中のホックを外した。
ワンピースの中で浮いたブラの下から、陣平くんの手が素肌を這う。
くすぐったくて、思わず身を捩らせながら陣平くんにぎゅっと抱きついた。
「じ、んぺ…」
そして、胸に触れるのかと思いきや、つつ…と胸の周りを指でなぞる。
陣平くんの大好きな手で胸を弄られる事を、どこかで期待していたのかも知れない。
陣平くんの指が、わたしが触ってほしいところをピンポイントに避けて這うにつれ、わたしの身体がおかしくなってくる。
「やっ…じんぺ…く。」
「んー?」
「焦らさないでよ…」
「何が?」
「何がって…だって」
さっきから、ワザと触って欲しいところを避けてるでしょ?と言う目でじっと陣平くんを見ると、陣平くんはフッと笑った。
「んじゃ、お前が触って欲しいところに俺の手を移動させてみろよ。」
「え?」
「ほら」
そう言って陣平くんはわたしの身体をさわるのをやめ、自分の手をわたしに預けた。
「や…だ恥ずかしい」
「じゃあ今日はこのまま寝るか?」
「それもやだ…」
わたしがそんなワガママを言うのを、陣平くんが余裕の笑みで眺めている。
悔しい…わたしばかり陣平くんのこと好きで、わたしばかり彼を求めているみたいだ。
そう思いながらも、はやく陣平くんに触れてほしいという欲望が勝ってしまい、わたしは彼の手をそっと取り、自分の胸の上においた。
「触って…?」