第14章 桜の木の下で ☆
どくどくと流れ出てくるそれを、ミコトに直接注ぎたかったと、独占欲すら出てくる。
「陣平くん…」
「ん?」
「ずっと、一緒にいてね…」
繋がったまま、ミコトは俺の身体にしがみつきながらそう言った。
ずっと一緒に。
ずっと と言う単語が妙に抽象的に思えて、俺はその言葉を咄嗟に言い直した。
「死ぬまで一緒だ」
「死なないで…死んじゃやだよ…」
死ぬと言うワードに敏感なミコトは肩を震わせながら俺を恨んだ目で見てくる。
「…じゃあ、100歳まで一緒。
これならいいだろ?」
「…うん。合格」
まるで屁理屈みたいなやり取りに、2人で顔を見合わせて笑った。
100歳まで一緒。
それが叶う確率は一体何%なんだろうな。
まあけど、もし神様が俺たちを引き離そうとしていたら、あの世にいる萩原が神様をぶっ飛ばしてくれそうだ。
俺とミコトは大丈夫。
100歳まで一緒にいられる。
そう信じて疑わない自分がいたんだ。
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