第13章 ニューイヤー ☆
愛し合った後、陣平くんの腕枕で寄り添って目を閉じた。
陣平くんはわたしのおでこにキスをしながら申し訳なさそうに言う。
「悪かったな。
…ミコトのこと、大切にしたいと思ってんのに」
どうやら中に出したことをすごく気にしてるみたいだ。
「陣平くん、そんなの気にするタイプ?」
「するだろそりゃ…
もうしねぇから」
そう言いながら、わたしの肩を抱き寄せて大事そうにぎゅっと抱きしめる陣平くんに、わたしは珍しく意地悪をする。
「しないの?本当に?」
「……っ自信ねぇ…」
あぁ…と項垂れながら、陣平くんはわたしの腕枕を解くと、今度はわたしの胸に顔を埋めるみたいにしてわたしの身体に抱きついてきた。
「じ、陣平くん?」
「大事にしてぇのに、欲望に勝てる自信がねぇ…
ミコト…」
自己嫌悪に陥るみたいにため息を吐き、わたしの胸に顔を埋めて甘えてくる陣平くん。
可愛すぎて、わたしは彼の少し癖のある髪を指で撫でた。
「なでなですんな」
「だって可愛すぎるよ、陣平ちゃん」
「陣平ちゃんって言うな。
可愛いも余計だ」
そんな減らず口を叩いては、はぁーっとため息をつきわたしの胸に擦り寄る陣平くん。
ちっちゃい子供みたい。
「わたし、陣平くんに大切にされてないって思ったこと一瞬でも無いよ?」
陣平くんの髪を撫でながらそう言うと、彼は黙ったまんま、わたしを抱きしめる力をぎゅっと強めた。
「むしろ陣平くんがわたしを求めてくれるのが嬉しすぎて…
たまに、夢なんじゃ無いかと思うこともあるんだから」
「…夢じゃねぇよ。」
そう言った陣平くんは、下から顔を近づけてきて、わたしの唇を奪いにくる。
唇が重なる直前に、彼は言う。
「好きだぜ…?ミコト。」
「っ…ずる…っんんッ…」
ずるい。
そう言おうとしたわたしの唇を塞いだ。
陣平くんと過ごす、新たな年の幕開けだった。
そう。これは、夢じゃ無い。
紛れもない現実なんだ…
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