第13章 ニューイヤー ☆
時間が経つのが、こんなに早く感じたのはいつぶりだろう。
毎日寝る前に、明日も同じ世界線にいられますようにと願い、起きたらすぐに今日の日付を確認する。
そんな日々を繰り返して、今日は12月31日。
一年が終わる日だ。
今年は本当に色々ありすぎた。
まず、わたしがタイムスリップしたこと。
今年の出来事とは、もはや時間軸がややこしくて説明しづらいんだけど、まずそれがトップニュース。
まだ神様に見放されていないようで、未だ、元の時代に帰る気配すらない。
そして、お兄ちゃんが亡くなった。
わたしの願いも虚しく、過去通り同じ日付に。
2度目の兄の死は、慣れることなくわたしの心をズタズタにした。
寧ろ、わかっていたのに救えなかったという後悔のぶん、過去より何倍も傷ついた。
未来を変えるなんて出来ない。
そう絶望を味わった矢先、過去では一度も好きだと言ってくれなかった陣平くんに告白された。
運命のいたずらは予測不可能。
わたしにコントロール出来るなんて思ったのがおこがましかったのかもしれない。
救おうとしたお兄ちゃんが救えなくて、どうせ叶わないと諦めてた陣平くんがわたしに好きだと言ってくれた。
そして、今陣平くんの彼女として、初詣に行く道を手を繋いで歩いてる。