第10章 愛してるなんて ☆
萩原…お前の妹を俺は文字通り汚してしまったのかもしれねぇ。
けれど後悔はしてない。
この先、お前が安心してそっちで暮らせるように、俺がミコトを一生守ってやるから。
それと、お前を殺した犯人は俺が必ず捕まえる。
だから、もし、またどっかで会えたら、美味い酒でも奢ってくれよ。
それまで、俺はミコトと手を取り合って生きていくから。
そう思いながら腕の中にいるミコトの髪を撫でると、ミコトは俺の身体にピタッと密着しながら言う。
「陣平くん、もう一回する?」
上目遣いでそう言われると、馬鹿正直な俺の下半身はあっさりとまた天を仰ぐ。
俺だってしてぇよ…
けど、流石に今日初めてだった女をそんな雑に扱えるほど、余裕のある男じゃ無い。
「…やめとく」
「どうして?」
「明日も明後日も明明後日も、お前のこと抱きてえから。
今日は我慢しとく」
その言葉を聞いて、ミコトはふふっと微笑みながら俺にぎゅっと身体を密着させた。
「明日も明後日も明明後日も、陣平くんといたい」
ぎゅうっと抱きつかれ、ミコトの柔らかい胸が俺の身体にむにゅ…と触れても、心を鬼にして手を出すのを我慢した。
この日は、ミコトと初めて身体を重ねた、俺にとって生涯忘れられない日になった。
愛してるなんて、気恥ずかしくて言えないが
ミコトのことを心から、大切だと確信した日だった。
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