第10章 愛してるなんて ☆
ピリリリリリ
「んー」
朝
自分の携帯の着信音が耳に届き、わたしはベッドから手を伸ばし寝ぼけ眼のまま手探りで携帯を探した。
ガサガサとバッグの中から鳴り響くそれを見つけると、まだ半分夢の中の頭で電話に出た。
「もしもーし」
「あ!萩原さん?新出です。
…今日、2限テストだけど大丈夫?
1限目に来ないから心配になって…」
「え…一限…」
ハッとわたしは陣平くんの部屋の時計を見た。
時計の針は9時ちょうどを指してる。
「あぁああ!!遅刻!!」
大きな声を出しながら、新出くんの電話はそっちのけで、慌てて隣で眠る陣平くんを揺さぶる。
「陣平くん!!起きて!!遅刻だよ!」
「んー…」
「今日もお仕事でしょ?
警察官が遅刻なんてヤバいよ!」
「ミコト…」
陣平くんはまだ寝ぼけているようで、わたしの身体にぎゅーっと抱きついてきた。
「ちょ…陣平く…」
「昨日の続き、する?」
そう言いながら、陣平くんの無骨な手がわたしの胸元に伸びてきて、ゆっくりと膨らみを揉んだ。
「あっ…ま、待って」
「待たない」
そして陣平くんのもう片方の手が、わたしの太ももを這うと、昨日の夜のことを思い出して心臓が大きく跳ねた。
「や……っ。ま、待ったーーーーー!!!」