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聖夜はアナタの好きにして【鬼滅の刃/上弦の鬼短編】

第4章 Confession of love /猗窩座




*
きっとね、あの日夢に出てきてくれた杏兄は殻に閉じこもったままの本当の声のままに生きる事を許してるって示してくれたんだと思う。

何を言ってたのかはわからないけど、きっとそうだ。わたしが思いのまま動いても生かしてくれた。わたしも狛治くんも。

わたしが言葉を発せない間、狛治くんはわたしを待ってできる限りを尽くしてくれた。
わたしが心配しないように仕事のこともちゃんと教えてくれて、ずっとわたしの事しか考えてないし見てないんだなって笑ってしまうほど。

あんなにカッコいいところ見せられたり、ちゃんとしてるところも見せられて、いっぱい大事にしてくれる人って、君しかいないって思ったから。

わたしが言おうとすることをわかって口を塞いだ手は、ホストの手じゃない。大切な人を守るために鍛えてきた人の手。

「美咲さんが俺の事、一人の男として俺を見てくれたの嬉しいです、美咲さんを守った杏寿郎さんの分も必ずあなたを守ります。

もっと一緒にいたいし、どんな美咲さんも好きだから、

俺の彼女になってくれませんか?」

丁寧に几帳面に、嬉しい言葉と本音を言ってくれる狛治くん。一生懸命伝えようってしてくれるのが嬉しかったから、

「いいよ。ホストとしても人間としても、男としてもわたしにとって、No1は猗窩座くんで狛治くんしかいないよ。」

言いかけて止められた言葉をまた彼のために言葉にして伝えた。

歳なんて関係ない。誰よりも強くてカッコいい。



嬉しそうに笑みを浮かべて、ゆっくりと重なる唇は、優しくて熱かった。
穏やかな天気はまるで、あの時の夢の様で暖かかった。

懐かしい心の陽だまりに、深く染みわたってくる安息と穏やかな愛。

わたしの隣にいてくれる人を見た。

どこかで見守ってくれているであろう杏兄も安心してくれるかな。


新しい年がもうすぐそこに来ている。
沢山の愛で満たしてくれる恋人になった大好きな狛治くんに抱きしめられながらそっと、

天国の杏兄に、みんなに、狛治くんに感謝した。


end.
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