第16章 延長
私の手を握っている健吾さんの左手の薬指の指輪をじっと見つめる。
握った手を放したくないって想いが伝わってくる。
それは私も同じだから…。
「…この時間はまだ寝てるだろうし、お昼にでも電話すればいいかな」
あの人にはLINEだけしておいて、後でちゃんと連絡しよう。
「志保さん…」
嬉しそうに私を見つめる健吾さん。
「健吾さん、明日まで、またいっぱいかわいがって下さいね」
彼の胸に頬を寄せて甘えたような声で囁く。
「はい。…でも、一旦寝ていいですか。気が抜けたら、急に眠気が…」
「ふふっ、ベッド行きましょ」
二人で連れだって、一つのベッドに入る。
…もう一方のベッドは大洪水だった。