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社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫

第27章 不器用な男の愛し方



されるがままの椿姫に、カタクリはふと椿姫の手首に触れると、シャツの袖だけのはずの手首に何か巻かれている存在に気が付く。
袖を捲ってみると、手首にリストバンドが露になった。

カ「これは・・・」

『あっ、こ、これは・・・』

リストバンドを捲ると、手首に拘束跡が残っていた。
病院で見たときよりは少しまともになっているものの、それでも所々に跡が残っており、その部分が早く無くなるようにキスを落とす。

ちゅ・・・ちゅ・・・

反対の手首もリストバンドを外して、キスを落とす。

まるで愛撫するように、優しく、愛おしく、大切に大切にキスをするカタクリを見た椿姫は、先程までの悩みは抱えなくても良いものなのだと改めて実感するのだった。

ひと通りキスが終わると、再び顔に戻り、頬、額、瞼とキスを落とした。

『ん・・・カタクリさん・・・』

カ「椿姫・・・」

2人しばらく見つめあった後、椿姫が目を閉じたのを合図に、初めてのキスを交わした。

短いようで長い2人のキスは、これからの願いと誓いのように感じられたのだった。




またしばらく2人抱きしめあったあと、これからの事の話をして、カタクリは名残惜しそうに帰っていった。


帰る前に椿姫の足首に残った拘束跡にも、ちゃんとキスを落として。


椿姫も、カタクリが手配したホテルだし、万国グループの会社関係者であり、このホテルの主であるシャーロット リンリンの倅なのだから、別に1泊ぐらい泊まっても良いのではないか?と提案をしたのだが、カタクリは首を縦に振らなかった。

曰く、ずっと共にいると、椿姫に手を出してしまいそうになるからと。

それを聞いて椿姫は、先程の"抱くの今ではない。ちゃんとタイミングを見てから大切にしたい。"と言っていたことを思い出し、納得したのと同時に赤面した。


カタクリを扉の前まで見送った後、来る前とは違った、心も身体も、全身が愛されている事の実感を確かに胸の中で感じながら、不安などない、満たされたまま、その日眠りについた。

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