社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第26章 不器用な男
翌日───
朝ゆっくり起きた椿姫は、フロントに連絡して軽食を頼み、食べながらテレビを見たり、軽くストレッチをしたりと1人時間を満喫していた。
『はぁ....やっぱりまだ身体痛いなぁ・・・流石に長時間拘束されてたら2日後でも身体にひびくか・・・・
・・・・カタクリさん、会いたいなぁ…』
昨日も1日ずっとカタクリと一緒いたし、今日も仕事が終わり次第来てくれると言ってくれていたのだが、それでもこの数日の出来事とカタクリと付き合うことになったからか、すぐに会いたくなるものである。
実は付き合う以前も、度々カタクリを想っては会いたいと心の奥底では想いを募らせていた。
しかし付き合ってもないのにそんなことを考えても仕方ないし、まず自分とカタクリの立場や距離などを考えると、釣り合わないことは目に見えている。
第1カタクリが自分を好きになることは無いだろうと思っていたため、会いたいと言うことよりも会いたいと思うこと自体が烏滸がましいと考え、誰にも、彰子にさえもこの気持ちは言えなかった。
それがお互いに同じ気持ちで、想いあっていると分かってしまった今なら、別れた先からすぐ会いたいと思ってしまうのは、不思議ではない。自然なことだ。
『14時かぁ・・・カタクリさん、何時に来てくれるかなぁ。』
椿姫は今携帯を持っていないため(バックから全ての荷物はベッジ達の車に乗せられてしまったため、手元にはない。)カタクリへの連絡手段がない椿姫は、ただ静かにカタクリが来るのを待つしかなかった。
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~ カタクリ Side ~
朝会社に出勤し、まず秘書の中山にこの数日間の事を労うのと同時に、これからの椿姫の入社の手続き等の指示を出す。
その後は今日1日の予定を確認して、昨日の会社の取り込みの対応をした者と、その準備をした者の所へ出向き、労いとこれからも手続きの残る少し面倒な仕事になるが頼むと声をかけた。
自室に戻り社長職の仕事を行っている最中に、秘書の中山が室内に入ってきた。
秘書「(コンッコンッコンッ)失礼いたします。
社長、國生さんの入社時必要な書類をご用意出来ました。
それと今後住む部屋の件ですが、ベッジさん達に國生さんの荷物を運んでもらっている最中です。」