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社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫

第17章 すれ違う気持ちと姉の存在



椿姫はその後自分の部屋に戻り、荷解きをして翌日の仕事の準備をした。

『まさか、姉さんがいるとは思わなかったな〜。

・・・・・・・やな予感するけど、気の所為だよね?』




柚姫は中学までは地元の椿姫と同じ中学校を卒業したが、高校は私立を選択し、そこでのほほんと青春を謳歌した。

両親は柚姫の大学進学も喜んで送り出した。場所は東京で私立の大学だ。
東京のオートロックマンションで1人暮らしをして、バイトもせず、させずに大学生活も満喫したのだ。

大学費用も、家も、生活費も、お小遣いまで両親は柚姫に惜しむことなく出し続けた。

対して、椿姫には高校も公立で入学してからバイトもさせ全て家に入れさせて、大学や専門学校への進学も認めずに就職をさせた。

柚姫は今まで自由にしたいことをずっとやってきた。
椿姫は大学卒業したらさすがに仕事をするだろうと思っていたが、柚姫は大学在中のうちにイケメンで御曹司の神宮寺 晃輝と婚約し、卒業と同時に結婚した。

彼がお金持ってるからと自分は仕事をせず、専業主婦となったが、家事の全てを家政婦に任せ、自分はエステや美容室、ネイルやショッピング等をして苦労のない生活をしていた。

椿姫とは正反対の柚姫の生活に、多少の嫉妬心はあった。

高校も大学も、親に大金を払わせるだけ払わせておいて、自分はなに1つ苦労せず、簡単に大学卒業したら結婚した。
椿姫から言わせれば、そちらの方が無駄だと思っていたのだ。

将来の夢のために勉強もしたし、努力もした。専門学校に行きたかったし、それが駄目なら別のやりたいこと見つけるまで大学でも短大でもいいから、公立でいい、奨学金とバイトを利用して自分で支払うから行きたいと言ったのだがだが、それさえも"無駄だ""どうせ何かあったら私達が金出さないといけないだろ"と言われ、許されなかった。

両親は結局、柚姫しか見えていないという事実に何度も泣いた。


何度、姉を羨ましかったろう。

何度、姉を妬んだのだろう。

何度、姉を邪魔だと思ったのだろう。


生まれてきてずっと繰り返した事。孤独だと毎日感じた。何度も泣いた。泣きすぎて枯れてしまい、最後には希望も夢も全て失った。


自分のやれることを、ただひたすらやるしかないんだと、自分を無理矢理奮い立たせて。

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