社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第11章 友人として
12月29日、連休1日目
この日、椿姫はせっかく東京にいるからと、観光をしていた。と言っても、万国グループのお菓子巡りが、メインなのだが。
今は商業施設に入っているクラッカーのところのビスケット屋に行き、持ち帰るためのお菓子を厳選していた。
『(うーん、とりあえず1番人気のチョコは確定でしょ?
それとこっち来た時も食べたけど、一応味の違いを確かめるためにプレーン。
あと1つくらい買おうかな?
ストロベリー?あ、でもキャラメルも捨て難い!
ビスケットなのにこんなに種類豊富なのすっごいなー。)』
椿姫が悩んでいると、ポケットに入れていた携帯の着信が鳴る。
少し遅れて気づいた椿姫は急いで携帯を出し、画面を確認した。
『(うぇっ!!
カ、カタクリさんだー!)
はい、もしもし?』
カ「〈もしもし、俺だ。〉」
『カタクリさん?どうしたんですか?』
カ「〈椿姫は今日何してるのか、気になってな。
せっかく東京にいるんだ。俺が色んなところ案内しようかと思ってな。〉」
『えっ?!忙しいんじゃないですか?』
カ「〈うちの秘書は優秀でな。
俺もこの期間は休みなんだ。
家にいてもやることもねぇしな。
どうだ?もう何処かにいるなら迎えに行くが?〉」
『それは助かります。
実は朝から万国グループのお菓子を探し歩いてたらもう疲れちゃって...どうしようと思ってたんです。』
カ「〈なら、迎え行こう。
どこにいる?〉」
『今はお台場にいます。クラッカーさんのお店にいました。』
カ「〈分かった。30分くらいかかると思うが、待っていてくれ。〉」
『わかりました。着いたら連絡ください。』
カ「〈あぁ。〉」
携帯を切ったあと、30分待ってるならと店内で食べる用のビスケットも購入し、飲み物も注文して客席でのんびりカタクリを待った。
『(あー、早速友人としてのやり取りが始まったなー。電話してくるなんて、よっぽど嬉しかったのかな?)』
そう考えながら携帯を見始めた椿姫。
そこへある2人がクラッカーの店にやってきた。
ビスケットを選んだ2人はレジへ行き、飲み物も注文して、席を選ぼうと振り返る。
その瞬間ふと視線を上げた椿姫。
お互いの目が合わさり、
「「『あ』」」
と声を合わせたのだった。