社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第9章 兄弟姉妹
店長研修初日。
椿姫は8時にメインドーナツ本社の入口にいた。
『えぇーと、確か...このカードをこの機械にかざして...』
小林「おや?國生さんじゃないか?!
まだ8時だぞ。研修は9時からなのに早いな。」
後ろから椿姫に声をかけたのは、椿姫のエリア担当のSV小林だ。
『ん?あ、小林さん!
いやー、初日なので入り方で手間取ったり、迷ったりしたらアレかな?って思って、早く来ました。』
小林「なるほどね。」
『小林さん、このカードをこう、改札みたいにかざせば良いんですよね?』
椿姫が小林に聞いているのは、ビル内での入場の仕方だ。
昨日説明されたとはいえ、初めてやることに戸惑っていたため、小林が来て助かったとばかりに彼に聞いたのである。
このビルは数百人の従業員を抱えている。それを一人ひとり管理するのは大変だ。そのため、従業員専用のカードを使って入場する。退場の際は必要ない。いわゆる不審者対策である。
椿姫が持っているカードはゲスト用で、昨日カタクリから借りたものだ。
小林「そうそう。そのまま通れるよ。」
『ピッ....あ、通れた!ありがとうございます!』
小林「いえいえ。僕も途中まで一緒の所通るから、案内するよ。」
『助かります。
昨日の今日で、あんまり覚えられなくて、不安だったんです。』
小林「そうかい。
それより、昨日はごめんね。急に別店舗でトラブルがあって、案内できなくなっちゃったんだ。
大丈夫だった?」
『大丈夫でしたよ。
カタクリ社長が、駅からここまでと、ホテルまで送って頂けたので迷うことはありませんでした。
ここまでも事前に道を聞いていたので、大丈夫でしたよ。』
小林「夜ご飯とかはどうしたの?」
『カタクリ社長がご馳走してくれました。
すっごい高級なお肉食べて、すっごく幸せでした。』
小林「それは良かった。」
『小林さんも大変ですね。何かあったら飛んでいかなきゃいけないって。』
小林「それは國生さんも同じことでしょ?
お互いそういう立場だし・・・」
『そうですね・・・』