第8章 8、遠征前夜
『あぁ、そうだ。明日から九州に遠征に行ってくるよ。』
情事が終わり、2人でベッドに潜るとふとそんな言葉がかけられた。
遠征、か。
「そっか、何日ぐらい?」
寂しい気持ちを最大限隠して笑みを零す。
『遅くても3日で帰るつもり~~~。』
『、、、寂しくない?』
寂しくないわけが無い。
だいすきな彼が一時も離れるなんて。
でも、私がここで引き止めて仕舞えば、彼を名探偵とする事が出来なくなってしまう。
名探偵になるのは名探偵である乱歩の夢で、、、
そんな事をうだうだと考えていると、少し重そうな腕が私を包む。
『嘘。1日で全部終わらせてくるから。』
「!!、、、ほんと?」
『うん、なんだって僕は名探偵だから!』
そう言って自信満々に微笑む彼。
「えへへ、名探偵はかっこいいね。」
『でしょう?ゆめの彼氏である僕は、名探偵でめちゃくちゃかっこいい!』
『だから』
『もっとワガママ言っていいから。』
照れ隠しなのか瞼にキスをしてきて、明日早いからはやく寝るよ!と布団をばさ、とかけられる。
ほんとうに、私の彼氏は世界で1番かっこいいなぁ。