第5章 5、プロポーズ
なんと、今日は、あの乱歩とデートをしましたー!
と言っても、ヨコハマの街を歩いて駄菓子屋を巡るだけなんですけど、、、。
でも嬉しそうに駄菓子を探す乱歩を見るのも良かったかな。
てなわけで、今は乱歩の家で夜ご飯を食べています。
『本当に楽しかった!ねるねるねるねるの新作チョコ味もゲットできたし!』
「ふふ、それはよかったですねー。それで?そのねるねるねるねるを食べるには、今箸で避けてる人参を食べなきゃですよー。」
『げっ、だって野菜のくせに甘いのが悪いでしょー!』
「もう、甘いの好きなくせに野菜は食べないんだから。」
そう言いながら乱歩が避けた人参を口に持っていってやると渋々それを食べる乱歩。複雑な表情してる。
「あ、今日さ!街中の式場で披露宴してる人達居たよね!」
素敵だったなぁ、、と白いドレスを思い浮かべると、人参を飲み込んだらしい乱歩が重々しく口を開く。
『ゆめはさ、あんな結婚式してみたいと思うの?』
「んー、どうだろ。なんで?」
『僕が探偵社に居る限り、ゆめと関係を持っている事がバレたら、ゆめも危険に晒されるかもしれない。だからあんな大っぴらな結婚式はできない。』
箸を置いて俯きながらぽつぽつと言葉を重ねる乱歩。
すこし頼りなさげなその肩にゆっくり手を回して抱き締めて、
「私は結婚式がしたいから乱歩と付き合ってるんじゃないよ。それに危険ってことは最初から分かってた。」
『じゃあ、なんで僕と付き合ってるの、、?』
「そんなの決まってるよ」
乱歩が大好きだから、と軽く触れるだけのキスをすれば、驚いた様に目を見開く乱歩。
名探偵なんだから私が乱歩にゾッコンな事くらい知っておいて欲しい。
何かを決意したような強い目で私をみる乱歩。
『僕は神が居ることなんて信じてないから、神に誓うことは出来ないけれど』
『君の笑顔は、僕の命を賭けて守るって誓うよ。だから』
『結婚、しよう』
と、私の目を見ながらしっかりとした言葉で伝えてくれる乱歩。
「、、、っうん、、!!」
思わず熱くなる目頭を抑えながら、抱き締めていた腕の力を強めると、それ以上に強い力で抱き締められる。
『ずっと、大事にするから。』
そう、優しい声が耳に響いた。