第22章 櫻井家+αの沖縄(どたばた)家族旅行!(前編)、の巻
「はぁ〜い、どちらさんで?」
「あ、あの、あたし…さっき電話した、裕子ですけど…」
「ああ、はい。今開けます」
──ガチャ
「はいはい、どう………………ぞ?(汗)」
ドアの向こうに立っていたのは
確かに色白で女性っぽい雰囲気ではあったものの
…多分、誰が見ても男だった
「…裕…子、さん?(汗)」
「……はぃ///」
余りにも、まんま男性な姿に面食らって名前を呼ぶと
裕子さんは小さな声で返事をして、恥ずかしそうに俯いた
「…うち…化粧も女装もせぇへんで人前に立つん、めっちゃ久しぶりやの……
……めっちゃ恥ずかしわ///」
「恥ずかしいコトなんかないよ?裕子さん、そのままで十分綺麗だよ」
智くんは、俺の後ろからちょこんと顔だけ覗かせると、そう言った
「あ……智さんですか?
さっきはごめんなさい、あたし、失礼なコト言うてもうて…」
「んーん、良いの、気にしないで?
…さ、どうぞ上がって下さい、村上さんが待ってるから」
智くんは裕子さんに、スリッパを差し出しながらそう言うと
にっこりと微笑んだ