第22章 櫻井家+αの沖縄(どたばた)家族旅行!(前編)、の巻
翔くんが、村上さんから取り上げた携帯電話を耳に当てたので
僕は、翔くんの反対側から携帯電話に耳を当てた
翔くんはソレを横目で見て、にっこり笑うと
のんびりとした声で話し始めた
「あ、もしもし、お電話代わりました、僕、村上の同僚で櫻井と申します」
『え?櫻井くんですか?』
「僕の事はご存知でしたか?」
『えぇ、男性の恋人と同居してらっしゃるとか言う…』
「そうです。ご存知なら話は早いですね、今、村上は僕の家に居るんですよ
先ほど名前の出た“智くん”と言うのは、僕の恋人……と言うか、僕の妻です」
(妻です、だって///)
僕のコトを“恋人”ではなく、わざわざ“妻”と言い直す翔くん
嬉しくて、つい顔が熱くなる
翔くんはそんな僕の様子に気付くと、携帯電話を持つ手を替えて、僕の肩を抱き寄せた
『妻……って、えっ…ホンマですか?』
電話口から裕子さんの驚いた様な声がした
翔くんはそれを聞くと、笑いながら答えた
「ホンマホンマ(笑)嘘だと思うなら今からいらっしゃいますか?
と言うか、いらした方が良いかも知れませんね…それで、村上とキチンと話し合われては如何ですか?」