第22章 櫻井家+αの沖縄(どたばた)家族旅行!(前編)、の巻
「……解らんねん……ただ、騙されとったんかと思ったら……
……何やもう……」
益々俯いて、何時もの騒々しさからかけ離れた小さな声を出す村上
智くんはそんな村上に、優しく語り掛けた
「僕は、女の人になりたいって思わないから、本当には良く解らないけど
その人、騙すつもりは無かったんじゃないかなぁ…きっと、怖かっただけだと思うな」
「……怖い?……何がや?」
「勿論、村上さんに嫌われるのが」
智くんは優しくやんわりと笑うと、俺の手を握った
「僕もね、最初にそう言う関係を持つときにさ…本当は怖かったんだ…
…だって、翔くんは僕みたいに、男しか愛せない人じゃなかったから」
「Σえっ!?」
は、初耳ですけど智くん!!?
「でもさ、本当は関係ないのかも知れないよ?
…男だからとか、女だからとか…そんなの」
そう言うと智くんは、コツンと頭を俺の肩に乗せた
「…翔くんは、本当は女の人を愛せる人だけど…僕を選んでくれた…
…それは、性別なんか関係なく、お互いに深く愛し合っていたからなんだ、って…
……僕は、そう思ってる」
智くんはそう言うと
超絶キレイに微笑んだ