第22章 櫻井家+αの沖縄(どたばた)家族旅行!(前編)、の巻
「う、うん…(汗)」
(いやね、だからね…妹からだから出るのを渋っている訳なんだよね(苦笑))
だいたい、妹からの連絡なんか、ロクなもんだった試しがない(汗)
「も〜、早く出なきゃ切れちゃうじゃん」
このままバックレてしまおうかと思って、差し出された携帯を睨み付けていたら
痺れを切らせた智くんが、代わりに電話に出てしまった
「あ゙」
「もしもし?妹さん?
…うん、僕、智です。どうしたの?……え?翔くん?」
恐らく何故に俺が電話に出ないのかと、妹に訊かれたのであろう
智くんはちょっと困った顔をして俺を見ると言った
「うん、ちょっと手が空いてなかったから……ん?うん、居るよ?」
智くんは言いながら俺の手をキュッと握った
「で、何のご用?僕で良ければ翔くんの代わりに聞くよ?」
「……」
用件なんか訊かないで切っちゃえば良いのに、なんて思いながら
握られた手を一旦離して、智くんを膝の上に乗っけて後ろから抱きしめる
智くんは膝の上に抱えられると、頭を俺の肩に乗せて寄りかかり
嬉しそうにニッコリ笑った