第19章 ライオンキング出張へ行く、の巻
「はぁ〜、美味しかったぁ!智くん、ご馳走さま!」
「ふふ、お粗末様でした(笑)」
先刻まではぺったんこだった腹をポンポン叩く俺を見て、智くんは笑いながら食器を片付け始めた
俺は残った食器を手に取って、テキパキと片付けをする智くんの後を追った
「ね、智くん」
「ん〜?…あぁ、そこら辺に置いておいて?洗っておくから」
カチャカチャと洗いものをしながら、智くんが俺の手に握られた食器を見て言った
「そうじゃなくて」
俺は洗い物をしている智くんを、後ろから抱きしめた
「ちょっと翔くん…」
「後で良いよ、洗い物なんか」
「でも、すぐ終わるから…」
「…待てない」
「あっ…///」
俺は智くんを後ろから抱きしめたままで、その手から食器洗いのスポンジを取り上げた
「もぉ、翔くんったらぁ///」
「…今すぐに……君を抱きたい」
「翔くん////」
「……ダメ?」
智くんの首筋に顔を埋めて、ちょっと甘えた声を出す
「………ダメな訳、ないでしょ?///」
智くんは泡だらけの手を洗い流すと、クルリと体を反転させて、俺の胸に抱き付いた