第18章 翔くんの病気疑惑、の巻
部屋へ戻った僕は、一人誰もいないリビングの端っこにしゃがみ
膝を抱えた体勢で縮こまった
「…翔くん…早く帰って来て…元気な顔を見せて…」
翔くんが病気かも知れないなんて、僕の思い過ごしだって
翔くんの様子がおかしかったのは、何時ものコトだったんだって、思わせてよ…(←何時ものコトて(笑))
「…翔くんがお家に帰ってきたら…だ、抱いてって、言ってみようかな///」
でも
帰って来るなりそんなコト言ったら引かれちゃうかな?(←恐らく泣いて悦びます)
「はぁ〜……」
僕はまた大きな溜め息を付くと、自分の膝をギュッと抱き締めた
どの位そうして居ただろう
薄暗くなった部屋にしゃがみ込んでいた僕は、夕飯の準備をする為に立ち上がった
「…翔くん…今日も定時かな…」
そう言えば今日はお夕飯のお買い物に行くの忘れちゃったな
なんて思いながらキッチンへ向かおうと一歩足を踏み出したら
玄関の呼び鈴が鳴った
──ピンポーン
「智くぅううーーんっ!!!」
「え?翔くん??」
時計を見たらまだ五時前
どう考えても帰宅が早すぎる
僕はもしかして翔くんが具合が悪くなって早退したんじゃないかと思い、慌てて玄関へ向かった