第18章 翔くんの病気疑惑、の巻
慌てて握り締めていた携帯を耳に当てる智くん
(そっか、ニノに電話して相談してたんだね…)(←いや、電話して来たのニノの方だし)
「…え?そう?……うん、解った。じゃあ明日ね」
智くんは通話を切ると「ちょっと待っててね」と言って、急いで寝室に向かった
(明日ね、か…そう言や、明日はニノの爺ちゃんちでお茶会の日だっけ)
…ちょっと待てよ?
(松本くんって元々ニノの同級生なんだよな?
この前赤ちゃん見に行った時だって、結婚式の時の花束だって、ニノ経由だったし
未だに交流があるのは明白…)
ってコトは、ニノ経由で松本くんの耳に事実が伝えられて…(←事実と決まった訳ではありません)
“櫻井さんが役立たずで大野くんが欲求不満が溜まっちゃってるみたいですよ!”
“何だと!俺から智を奪っておいてなんてザマだ!幸せにすると誓ったくせに怪しからん!!”
“どうせだから、奪い返しちゃえば?”
“なる程!それはええやないかい!”(←だから、言わないってば)
「Σ良いわけあるかぁ、ばかぁっ!!!(号泣)」
「Σえっ?!」
「…え?」
気付けば目前に俺の寝間着を抱えて立ち尽くす智くん
「……はぃ」
智くんは、一人で泣き叫ぶ俺に戸惑いながら寝間着を手渡してくれた