第16章 夫婦喧嘩は犬も食わない?、の巻
「おぉ〜!なんだ今日は鍋か!」
「…鍋…智さんと鍋…///」
「あ、お父さん!弟さんも!」
ズカズカ勝手に部屋に上がり込んだ親父と弟の後を追ってリビングに行くと
親父がちゃっかり鍋の前に座って中身を覗き込んでいた
弟はその隣で真っ赤な顔して智くんのコトを熱心に見ている
「もぉ〜!帰れよ二人ともッ!!(怒)」
「翔くん、しぃーッ!///」
智くんが大声を上げる俺の腕を掴んで、そのふっくらリップに人差し指を押し当てた
「赤ちゃん寝そうなの、しぃ、だよ?///」
「え?もう?」
「うん、流石お母さんだねぇ///」
智くんは尊敬の眼差しを七海を抱いて寝かしつけている母に向けた
「三人も子供を立派に育て上げて来たんだもん…凄いよねぇ///」
「う、うん、まぁ…」
(育てられた本人としては、どう答えて良いんだか若干の戸惑いを感じますが(苦笑))
そんな俺達のやり取りを全く我関せずと言った感じで、勝手に鍋に肉を投入しながら親父が言った
「そんなコトは良いから、早く鍋を食おうさとちくん♪」
だから、さとちくんて言うなよ、親父ッ!!(怒)
「そんなコトって何ですか、お父さん!」
智くんが声を低くして、呑気に鍋をつつく親父をちろっと睨んだ