第16章 夫婦喧嘩は犬も食わない?、の巻
(…何があったのかな?)
僕は携帯電話をテーブルの上に置いて、ちょっと溜め息をついた
今日はたまたまバイトが早めに終わったから、お昼前にバイト先の図書館を出て駅に向かっていたら、妹さんから電話があった
イキナリ
「旦那と別れるからさとちゃんちにしばらく置いて!!」
って言われた時は流石に焦ったけど、僕は取り敢えず話しを聞くからおいでって言った
だって、小さな赤ちゃんを置いて家出をしちゃうなんて、きっと余程のコトがあったに違いない
今バイト帰りなんだって言う僕に、妹さんはコレから翔くんの所へ行く所だから、家に着いたら電話してって言った
で、さっき電話したんだけど…
「…翔くんのOKが出たんだから良いんだよね、泊めてあげても」(←本当はOKは出て無いんですがね(笑))
(翔くんの家族は僕の家族だもの…力になってあげなくちゃ!)
僕は早速妹さんの為に軽い食事を作り始めた
(理由を言えないなんて、きっと言うのも辛いようなコトがあったんだね
…僕で力になれると良いけど…)
自分もまだお昼を食べていなかったので、二人分のお昼を作る
「あ、レタスが切れてる…まだ、時間あるかな?」
サラダを作ろうとしたら、肝心のレタスが無い
僕は時計を見て腕を組んだ
「んん〜…微妙だなぁ…メールしておこうかな?」
僕はリビングに戻ってテーブルの上の携帯を取ると、妹さんにメールを送った
「えっと“ちょっと近所にお買い物へ行きます。駅に着いたらメール下さい”
…コレで、大丈夫かな?」
僕は急いでエプロンを外して上着を羽織ると、マイバック片手にお家を出た