第4章 奥様(♂)を家族に紹介! の巻
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「翔くぅ〜ん!まだぁ?」
「今行く!」
今日は土曜日
毎週土曜日はデートの日♪
一緒に暮らし始める前からの二人の大事な決まりごと
だから僕は土曜日が大好き
だって、大好きな翔くんを一日中一人占めなんだもん♪
「ごめん智くんお待たせ!」
「んーん、いいの。早くいこ♪」
僕が差し出した手を翔くんがきゅって握ってくれる
「えへへ///いこっか?」
「んふふ///いこ♪」
ん〜、しあわせ////
玄関を出て鍵を閉めたら、翔くんの携帯が鳴りだした
「あ、智くんちょっとごめん…げっ!ぶっちょ!!」
「部長さん?」
「ちょ…ごめんね!…もしもし櫻井です」
(お休みの日に何だろう?)
翔くんは僕に背を向けて真剣な様子で何やら話している
「…えぇ!?今からっすか!!?」
(…え?何?)
翔くんは慌てた様子でブンブン手を顔の前で振りながら言った
「いや、無理ですって今日は…
…ええ?…い、いや、そうですけど…
…はい…はい…
……解りました。」
翔くんはがっくり項垂れて電話を切った
「…翔くん、大丈夫?」
「……智くんごめん…俺、仕事が入っちゃった…」
「え?」
翔くんは項垂れたまま僕の両肩を掴んだ
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