第15章 智の会社訪問♪、の巻
部長さんが出て行った後、僕はお部屋から顔を出してオフィスの様子を伺った
他の人たちは皆さんお昼に出てしまったのか、オフィスには翔くんと村上さんの姿しか見当たらなかった
(……翔くん、真面目にお仕事してる///)
僕は応接室をそぉっと抜け出して足音を忍ばせて翔くんの後ろに回ると、翔くんの様子をじっと見詰めた
あんなに文句を言って騒いでいたのが嘘の様に
真剣に資料を見ながらパソコンに向かう後ろ姿が、超格好良い
(……お仕事してる翔くん、素敵////)
と、手に持った資料に眼を落しながら翔くんが立ち上がって振り向いた
「あれ?智くん?!
…何時から其処に居たの?」
「…今さっきだよ。部長さん何も言って無かった?」
「いや、何だか適当に飯を食っとけとか何とか言ってたような気がしたけど…」
ソレを聞いて村上さんが翔くんを見た
「大野さんが弁当持って来てるからとか言うっとったやん」
「あ?んなコト言ってたっけ??」
「櫻井くんは一回スイッチ入っちゃうと、めっちゃ集中しよるからなぁ(笑)」
(そうなんだぁ…なんか益々格好良いなぁ///)
ぽーっとなって翔くんを見てたら、村上さんが僕の手元を見て言った
「んで、肝心の愛妻弁当は何処ですのん?」
「はぃ?
…あぁ、それなら部長さんが応接室を使ってイイって仰ったから、其処に置いてあります」
「そうなんですか!」