第13章 智の青いおもひで、の巻
「ほんっとーに、最低」
「…仰る通りです(苦笑)」
旬は溜め息をつくと、僕を見詰めた
「もしも…あの時俺がお前を好きだと言って…その上で抱きたいって言ってたら…
…お前は、うんって言ってくれたか?」
「この世に“もしも”なんてコトはね、存在しないの」
僕は腕組みをしたままフンと鼻を鳴らした
「自分のした事を後悔するのが悪いとは言わないけどね
もしもあの時、あーだったらとか、こーだったらとか考えるのは、馬鹿げてるよ」
「…智」
「そんなコト言ったら、僕の人生なんかもしもだらけだもの」
「……」
僕は組んでいた腕を解いて旬に差し出した
「でも、旬が友達でいてくれて良かったって思ってるよ?」
「…智、お前…」
「コレからも友達だよ…旬」
「……あぁ」
旬が僕の差し出した手を握った
「お前のさ…旦那ってどんな人?」
「ん〜…僕、翔くんのコト話し始めると止まんないよ?」
「…出来れば一言で言ってくんない?(笑)」
「えぇ〜?一言ぉ?んん〜………宇宙一素敵な旦那さま!!」
「……(苦笑)」
僕は苦笑いする旬にお別れを言って、部屋を出た