第13章 智の青いおもひで、の巻
身勝手な欲情の果てを智の中にぶちまけた後
引きつる様に短い息を吐くその姿に、俺はやっと我に返った
(…俺は…何てコトしたんだ……こんな……こんなの…)
後悔と共に、言い知れぬ恐怖が俺を襲う
(…こんなコトして…もう終わりだ……俺と智は、もう…)
もう、智の傍に居る事は許されないのか?
友達でも良いから、ずっと傍に居たいって思ってたのに
こんなバカな事をして…俺は、一体…
(……だた、抱きたかった、だけだ)
智が………好きだから
彼を、自分のモノにしたいと、ずっと思っていた
友達では無く、体ごと全部欲しいって…思ってた
本当はとっくに解ってたんだ…智に恋をしてるんだって
だた、そんな事を言って、彼が自分から遠ざかるのが怖かっただけだ
それを、こんな風に無理やり犯して…
許してもらえる訳なんか…自分を愛して貰える訳なんか、ない
(…無かった事に、すれば良い…)
ちょっとした悪戯心でこんな事をしたんだと…彼に思わせればいい
人の良い彼は、きっと俺を許してくれる筈だ
(……我ながら、サイテーだな)
只のゲームだから全部忘れろなんて、最悪な台詞を傷つき横たわる智に浴びせて
俺はその自分の仕出かした仕業に眼を向ける事も出来ずに
そのまま、美術室を出て行った